著者:小口昭宣
判型:A5判
頁数:208頁
トップアスリートから一般のスポーツ愛好家まで、
現場で役立つ、幻の伝統手技療法の実力!
「腱引き」とは、古の武術家たちに伝承された日本の伝統手技療法。
「腱(筋)」へのアプローチによる「一撃改善」を代名詞とする。
古の武術家たちは、いざという時に備えて武術の「殺法」を日々の修練として行いながら、それにともなう故障を「腱引き」によって瞬時に改善していたという。
この技術は、現代のサムライ(=アスリート)たちに活かすことのできる、まさに「活法」である。
元総合格闘家・平直行を施術モデルに、パフォーマンスの向上、練習後の回復力の促進、怪我の予防、不調の改善、故障からの復帰、試合前やインターバル中でも出来る即効調整なども紹介。
CONTENTS
武道でもスポーツでも「臨戦態勢」を実現する腱引き
武道から生まれた腱引きが、現代のスポーツに甦る臨戦態勢を整える技術
「腱をひく」とは
腱引きの視点から見たスポーツトレーナーテクニックとは
腱引きは大海に漂う流木がごとく
第1章 腱引きとアスリート
1.腱引きとスポーツ
腱引きとの出会い/古流柔術と腱引き/口伝の研究と再編/
腱引きがスポーツに生かされた訳/腱引きがもたらす効果
2.トップアスリートへの施術の難しさ
芸術作品として扱う/トップギアでしか分からない
3.疲労回復と運動学習を矛盾させない
通常は直前まで練習をしない理由/練習とは、筋力のアップと運動の学習である/
疲労とパフォーマンスの関係/受身の調整法から積極的調整法へ
4.鍛えるトレーニング、傷つけるトレーニング
筋肉が強くなる仕組み/筋肉疲労と肉離れ/クールダウンの仕組み/極限に鍛える怖さ
第2章 腱引き的視点で観るアスリートの動き
1.人の体の動き
腱引き的視点で運動を捉える/既存の枠に捕らわれずにシンプルに観察する/
2.筋肉がずれる、腱が外れるとは?
筋肉のズレが、運動のレベルを下げる/筋肉のズレの実感
3.アスリートの抱える症状とその予防
筋肉痛/肉離れ(筋断裂)/靱帯断裂/足の硬直(こむら返り)/
腱鞘炎/捻挫(靱帯損傷)/突き指/疲労骨折/脱臼
第3章 筋整流法の基本施術
1.基本調整法について
アスリート向けの基本調整法/腱引きの基本2法
2.基本チェックポイント(足、腕、腰、背中、首)
聴取診断(聴き取りによる状態確認)/視覚診断(視覚による状態確認)
3.腰の基本施術
腰の腱の確認と調整/臀部の調整/チェックと運動指導
4.下肢の調整施術
足の開き具合の観察/巻きを作る/下肢背面の筋を割る/アキレス腱の活性化
5.手・腕・肩の基本施術
指の腱の確認と調整/手首の確認と調整/総指伸筋のチェック/
肩の調整/肩甲骨の調整(肩甲下筋と僧帽筋の腱)
6.首から顔にかけての調整
左リンパ総管への軽圧迫/頚の調整/頭部の調整(側頭部)/
頭部の調整(天窓の軽圧迫)/表情筋の調整(皺眉筋、眼輪筋、頬骨筋)
第4章 運動の要素とアスリートタイプ
1.運動の4要素
「引く」 「ゆるむ」 「回す」 「固定」
2.競技の分類と選手の身体的特徴
左右対称系のスポーツ/左右非対称系のスポーツ/フェイント系のスポーツ/
非フェイント系のスポーツ/瞬発系のスポーツ/持久系のスポーツ/
固定系のスポーツ/ウインタースポーツ系選手の体
3.アスリートの腱引き体験
陸上競技400メートル/インディアカ/卓球/新体操/
バスケットボール/ソフトボール/野球(ピッチャー 右投げ右打ち)/
野球(キャッチャー 右投げ右打ち)/野球(右投げ右打ち)/競泳(背泳)/
柔道/陸上競技長距離
特別収録1 ボクシングに活かされる〝古式腱引き〟の威力
筋整流法の即効性と回復力 トレーナーが腱引き師になる理由
腱引き道場となるジムの週末 セコンドとしてできること
インターバルでの調整【鼻】 インターバルでの調整【肋間】
インターバルでの調整【肩甲骨周り】 指先が伝える自己治癒力
特別収録2 対談・中山隆嗣師(空手家・快整体術研究所所長)
壊せるから、癒せる「殺」と「活」の出合う場
医師からも頼りにされている「腱引き・整体」 療術の根本は心法である
西洋医学と東洋医学の連携が重要である 「壊し」ができるから「癒し」もできる
療術家は人の心に火を灯すことが仕事である
小口昭宣(筋整流法創始者)
古式腱引き療法の最後の伝承者。プロ写真家としての顔を持ち、富士山百景写真コンテストのプロデューサーでもある。29歳の時に腱引きと出合い、その効果に驚き、入門。その後、約20年間に延べ3万人以上を無償で施術しながら、伝統の技法を整理・理論化して「筋整流法」として確立。現在、新たな伝承者の育成にも力を入れている。スノーボードのアジアチャンピオンの他、様々な競技の選手に対し種目や年齢に合わせた調整を行っている。